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【あがり症】緊張で声が震える場合の対策・4つの手順 

公認心理師の藤井です。あがり症(対人恐怖症・社交不安症)の人で「緊張で声が震える」という悩みを持つ人が多いです。よくこのようなお悩みを聞きます。

【あがり症】緊張で声が震える人の悩み

このような悩みへの対処法としては認知行動療法が有効です。このブログでは、認知行動療法をベースにした対処法を解説していきます。対処法は4つの手順で構成されています。まず「あがり症対策の重要ポイント」を3つ説明し、対処法を解説していきます。

あがり症対策の重要ポイント

①感情(不安や緊張)はゼロにすることは難しい。

「緊張をゼロにしたい」「不安を無くしたい」というお悩みを持っている方多いです。非常によくわかるのですが、感情(不安や緊張)をゼロにすることは難しいです。少なくとも認知行動療法など臨床心理学をベースにしたカウンセリングでは出来ません。なぜなら、不安や恐怖というのは人間の基本的な感情です(心理学では情動とも言います)。元々備わっている基本的な感情をゼロにするのは至難の業です。大切なのは感情をゼロにすることではなく、感情とうまく付き合うことです。認知行動療法は上手く付き合う方法を一緒に考えていきます。詳しくは後述する4つの手順をお読みください。

②「声の震え」を過剰に恐れるのはよくない。

あがり症の方は「緊張すること」「緊張で声が震えること」をとても恐れます。例えばこのような悪循環が起きているのです。

悪循環

  1. 「あがり症で声が震える」ということを恐れている。
  2. 恐れるあまり、繰り返し否定的に考えてしまう。
  3. その結果不安が強まる。

このような悪循環です。「否定的に考えてしまう」の具体例ですが、以下の通りです。

あがり症の人が考える否定的に考える内容

  1. 緊張して声が震えてしまいバカにされる。
  2. こんなことで声が震えてしまいダメ人間だと思われる。
  3. 声が震えてしまい、みんなから批判される。
  4. 声の震えにより、緊張や不安がバレてしまい最悪だ。
  5. 声が震えた結果、自分は理性を失い最悪な結果を招く。
  6. 声が震える自分は、価値のない愚かな人間だ。

このような否定的な考えから距離を取り、疑問を持つことが大事です。あがり症の方は「実際に声が震えて恥ずかしい思いをしました」「学生時代、声が震えて同級生から笑われました」と仰る方も多いです。そのため、緊張して声が震えるのが怖い。「あがり症で声が震えてしまったら大変!」と思ったらまずは否定的な考えに疑問を持ってください。疑問の持ち方ですが下記のようなやり方をお勧めします。

改めて考えてみること

  1. 過去にバカにされたとして、現在もバカにされるでしょうか?バカにしてくるのは場合によってはハラスメントでは?
  2. ダメ人間と実際に言われたでしょうか?はっきり面と向かって言われたことはありますか?もし他人がそのような発言をするなら、それこそハラスメントの可能性が高いです。
  3. 「声が震えた」ということだけで本当にみんなからバカにされているでしょうか?
  4. 声が震えてしまい、その結果起きてしまう「最悪の結果」とは具体的に何でしょうか?その結果が起きる確率とは?

改めてこのような問いを自問自答することをお勧めします。実際に起きるのか、もし過去に起きたことがあるなら今の環境でどれくらい起きそうなのか。もし仮に起きた場合は泣き寝入りするしかないのか。具体的な相談場所はどこか。客観的に考えていきましょう。あがり症の人は「緊張で声が震えるのが怖い!」と考えるあまり、その先の展開について考えにくくなっています。もちろんそれはあがり症の人が悪いのではなく、客観的に考えるのが怖いからなのです。しかし避ければ避けるほど不安や怖さは慢性化していきます。

③安全行動を減らす。

安全行動という専門用語が出てきました。まずは解説します。

安全行動とは?

「あがり症で声が震える」を恐れる人がやりがちな安全行動

このような感じです。安全行動は気づきにくく、わかりにくいです。実際はカウンセラーと一緒に探す必要があります。「不安や緊張が高い時にやってしまう行動は何か?」という視点で探してみてください。ちなみに私は不安が高まると手を洗う癖があります。これも安全行動のようです。今度から減らします。次は対処法の解説です。4つの手順に分かれていますので順番に説明します。

【あがり症】緊張で声が震える場合の対策・4つの手順

手順① 声が震える場面を状況を分析する。

まずは困っている場面を分析します。具体的にどのような状況に緊張、不安を感じるのかを可視化します。分析には認知行動療法のモデルをします。このような分析をすることで、どこから改善していいか把握しやすくなります。

分析のポイント

手順2【不安階層表の作成】声が震える場面を洗い出す。

不安階層表という専門用語が出てきました。解説します。

不安階層表

不安階層表の例

手順3 安全行動を突き止める。

不安階層表を作成したら、安全行動を検討していきます。安全行動については最初の方で詳しく述べました。こちらからご確認ください。実際のカウンセリングでは、カウンセラーと一緒に安全行動を探していきます。安全行動は気づきにくいのが実際のところです。探した方のポイントは以下の通りです。

【安全行動を探すコツ】※下記のような行動であれば安全行動の可能性が高い。

頭の中で、「不安・緊張・恐怖」のことを繰り返し考えたり、どのように対応すればいいだろうかと繰り返しシミュレーションするのも安全行動の一種になります。

手順4 行動実験の計画を立てる。

分析、不安階層表作成、安全行動特定が終わりました。次は行動実験になります。まずは行動実験の説明です。

行動実験

頭の中で考えている心配なことやネガティブな予測が本当にそうなるのかを確認する手続きです。認知行動療法の方法の一つです。行動実験の手続きを説明していきます。

4-1【行動実験準備】どんな恐ろしいことが起きるかを予測する。

 行動実験をする場面は数名の同僚の前で進捗状況を報告し、その後話し合う。」です。まずはどんなことが起きるか予測をします。予測の例を挙げてみました。

予測の例

あがり症の人は、ネガティブな予想をしがちです。この予想が当たるのか、当たらないのかを確認する手続きが行動実験になります。実際のカウンセリングではこのようなシートを使って行動実験を行ないます。

4-2【行動実験準備】減らす安全行動を決める。

次は安全行動です。減らす安全行動、そして行動実験の際にチャレンジする行動を決めます。例えばこのような感じです。

安全行動

チャレンジする行動(安全行動の逆)

このような感じです。安全行動を減らすためのポイントをまとめました。

安全行動を減らすポイント

安全行動は分かりにくいので、実際のカウンセリングではカウンセラーと一緒に探していきます。実際は下記のようにまとめていきます。

4-3【行動実験開始】「緊張で声が震える場面」と向き合う。

いよいよ行動実験開始です。いきなり難易度が高い行動実験は挫折しがちです。ちょっと頑張ればできそうな行動実験から始めていきましょう。

行動実験に取り組むポイント

行動実験を終えたら結果をシートに記載していきます。記載例は下記のとおりです。こちらもカウンセリングでカウンセラーと一緒に作成していきます。

4-4【行動実験終了】振り返りをする。

行動実験が終わったら、実験を振り返っていきます。

行動実験振り返りのポイント

まとめ

 あがり症対策のポイントと手順をまとめました。これらは効果が実証されている認知行動療法の考えをベースにしています。不安や恐怖をゼロにしようとしても難しいです。ゼロにしようとする試みは安全行動です。安全行動をすると不安や恐怖は慢性化します。対策として4つの手順を紹介しました。

やり方が分からない人は自己流でやらずに相談してください。

最後に宣伝です。kiyokiyo(きよきよ)は、社交不安障害(スピーチ恐怖症・社会不安症・あがり症・対人恐怖症)を専門とした心理カウンセリングルームです。公認心理師・臨床心理士が運営しております。

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