公認心理師の藤井です。プレゼンやスピーチをするときにこんな心配ありませんか?
この記事ではこのような悩みについての対処法を解説していきます。対処法は科学的に効果が実証されている認知行動療法をベースにした方法です。この記事を読むと「プレゼンやスピーチの時に声が震えたらどうしよう・・」という不安に対処することが出来ます。
目次
まず、実際にどれくらい震えているかを確認しましょう。プレゼンやスピーチの際に声がどの程度震えているかを調べるのです。調べる方法は以下の通りです。この方法は認知行動療法の世論調査という方法をベースにしています。
調査の際は「声が震えているか」「声が震えていないか」の二者択一にこだわる必要はありません。声の震えが他人にどう認識されているかを確認するのが大事です。声が震えているのを見抜いている人もいるでしょう。気づいていない人もいると思います。別の視点からのフィードバック(内容、話すスピード、別の癖など)もあると思います。まずこのように自分自身だけで悩まず他の人の視点でフィードバックをしてもらうことが大事です。
振り返ることで意外なことが分かります。以下のようなことが分かる場合があります。
「緊張して声が震える。どう思われるだろう?」と心配していたわけですけども、思いがけないことが調査でわかるのです。自分のネガティブな思い込み(これを専門的に言うと認知の歪みと表現します)を壊すきっかけになるのです。一人で延々と「声が震えているのどう思われるだろう?」と悩んでいるよりも調査してみることをお勧めします。
具体的な対策に入っていきます。まず、「声の震え」を隠そうとする行動を見つけて減らしていきましょう。これは認知行動療法のエクスポージャーと言う方法をベースにしています。
本当は声の震えがバレないようにしたいものです。恥ずかしいことがバレたら嫌ですよね。バレるのは不安だし怖いです。不安や恐怖は減らしたいものです。不安や恐怖を減らしたり、バレないようにする行動を臨床心理学では「安全行動」とか「回避行動」と呼びます。これらの行動が過剰になるとあがり症や社交不安症など不安関係の病気が悪化していきます。悪化を防ぐのが減らす理由です。
声の震えを隠す時の代表的な安全行動(回避行動) ※このような行動を減らしていきましょう。
これだけではないと思います。皆さん固有の安全行動(回避行動)があります。認知行動療法では安全行動や回避行動を発見し、何を減らすべきかを考えていきます。実際のカウンセリングではカウンセラーと一緒に探していくので安心してください。
声の震えが気になる人は、声の出し方、声の抑揚、喉の感じに意識が向きがちになります。平たく言うと声のことばかり考えてしまうのです。実際プレゼンをしていると声がかすれたり、出しにくかったり、噛んだりすることはよくあります。このような現象は日常茶飯事と言えるでしょう。
このような現象に注意が向きすぎて敏感になりがちです。敏感になった結果、「これも声の震えの前兆もしれない」と心配になってしまいます。
心配になって「声」に意識が向きすぎるのが先述したように逆効果です。他のことに注意を向けましょう。例えばこのような感じです。これは認知行動療法の注意トレーニングという方法をベースにしています。
まずは周囲の人に尋ねて、実際にどれくらい声が震えているのか(いないのか)を確認しましょう。その上で、「声の震え」を隠そうとする行動を見つけ減らしていきます。さらに注意トレーニングで「声」以外に注意を向けていきます。これらの方法は独学では難しいものです。カウンセラーと相談しながらやることをお勧めします。
最後に宣伝です。kiyokiyo(きよきよ)は、社交不安障害(スピーチ恐怖症・社会不安症・あがり症・対人恐怖症)を専門とした心理カウンセリングルームです。公認心理師・臨床心理士が運営しております。
認知行動療法やLINE・Zoomでのカウンセリングを提供しておりますので、もし専門家のサポートが必要な方はカウンセラープロフィールやメニューをご確認の上、ご利用案内に沿ってお問い合わせください。
この記事の筆者
公認心理師・臨床心理士。社交不安症(障害)の認知行動療法を専門とする。首都圏の精神科病院、カウンセリングルーム、メンタルクリニックにてカウンセリング、復職支援、心理検査等を担当。