公認心理師の藤井です。あがり症(社交不安障害、対人恐怖症)の人で「美容院が苦手である」という人は多いと思います。あがり症の人にとって美容院は結構難関です。行きたいけど行きにくい場所かもしれません。このようなことありませんか?
美容院で緊張してしまうポイント
このブログでは「美容院が緊張する理由」「美容院で緊張する時の対処法」を解説していきます。今回の対処法は科学的に効果が実証されている認知行動療法をベースにしたものです。
目次
あがり症(社交不安障害・社交不安症)の人が頻繁にしてしまう行動です。安全行動とは不安や緊張を減らそうとする行動のことになります。この行動が不安を慢性化させます。
美容院で緊張してしまう理由は様々ですが代表的なものを紹介します。
まず、美容師さんとの距離が近いですよね。物理的に距離が近いのも緊張します。ずっとそばに居るし、緊張している態度や表情がバレたらどうしようかと考えちゃう。また美容師さんって基本的に愛想がいいし、(恐らく緊張をほぐすために)フレンドリーだったりします。その愛想の良さやフレンドリーな言動にうまく対応できるかも心配です。結局のところ、緊張がバレたらどうしようか、ちゃんと美容師さんに対応できるかどうか考えてしまうわけです。その結果緊張してしまう。悪循環です。
美容院は意外にも逃げ場がありません。普段であれば緊張や不安が強くなると、トイレや個室など一人になれる空間に逃げ込み気持ちを落ち着かせることもできるでしょう。しかし美容院はそれがなかなか出来ません。髪をカットしている時にトイレというのはそれ自体恥ずかしい。基本的に施術中はジッとしている必要があるし身動きが取れないです。そのため緊張による震え、赤面などの症状がバレやすいように思ってしまいます。緊張してしまうのが発覚しやすいかも・・と考えてしまいます。そう思うと余計に緊張してしまいます。
美容師さんはコミュニケーションのために雑談してこられますよね。あれがまた緊張なのです。雑談にうまく答えられるか、ちゃんと的を得た回答をしているか、そもそも自分なんかと雑談してて嫌に思ってないかなど。いろいろなこと考えすぎてしまいます。そのため緊張してしまう。
緊張への対処法を紹介します。「大事なポイントは安全行動は減らす」です。
美容師さんとの雑談でこのようなに考えていませんか?
このような考えに従う行動が安全行動に該当します。その逆をすればいいのです。例えばこのような感じです。
緊張に震え、挙動不審がばれないように身体に力を入れる。そうすると震えや止まりますし、挙動不審になることもない(じっとしているので)。なので「身体の一部に力を入れる」は安全行動になりやすいです。その逆を行うと良いでしょう。例えばこのような感じです。
このような感じです。じっとすることをやめ、震えがバレないように力を入れているとしたら止めてみましょう。
応用技ではありますが、あえて「私緊張しやすいのです。あがりやすいのです」と事前にお店に伝えるのも良いでしょう。伝えるだけではなく、あまり話をするのは苦手であること、時々緊張で赤面や震えなども起きてしまう可能性があることを併せて伝えましょう。「特定の心配事があるので、美容院は緊張しやすい所だ」ということを伝えられればOKです。安全行動の目的は緊張を隠すこと。「緊張はするんです」とあえて公言するのは結構効果的です。
あがり症、社交不安症の人にとって美容院が難関なのは、そもそもあんまり行く機会が少ないからです。少ないので、認知行動療法がしにくい。なかなか慣れない。ですので、綿密に計画を立てる必要があります。自己流でやるよりも専門家に相談しながら取り組みことをお勧めします。
最後に宣伝です。kiyokiyo(きよきよ)は、社交不安障害(スピーチ恐怖症・社会不安症・あがり症・対人恐怖症)を専門とした心理カウンセリングルームです。公認心理師・臨床心理士が運営しております。
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この記事の筆者
公認心理師・臨床心理士。社交不安症(障害)の認知行動療法を専門とする。首都圏の精神科病院、カウンセリングルーム、メンタルクリニックにてカウンセリング、復職支援、心理検査等を担当。