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【緊張で震える】電話が怖い人に推奨する4つの手続き

あがり症で震えに悩んでいる人多いです。代表的な震えのお悩みはこのような感じでしょうか。

【あがり症の人が震えの悩み】

あがり症は社交不安障害(症)ともいいますが認知行動療法が有効な改善方法です。今回認知行動療法の考えをベースに「緊張による震え」への対処法をご紹介します。今回は電話の場面を材料に対処法をお伝えします。このブログを読むと「電話で話すと緊張して声が震える」という悩みへの対処法を知ることが出来ます。対処法は4つの手続きから構成されます。

【対処法の4つの手続き】

  1. 手順1安全行動をリスト化する。
  2. 手順2 安全行動の逆の行動リストを作る(あえて自分を不安にさせる行動のリスト化)。
  3. 手順3 リストに不安の点数をつける。
  4. 手順4 不安の点数の低い行為を実際に試してみる。

【このブログの読み方】

この記事は「安全行動」という聞きなれない心理学の用語が頻繁に出てきます。緊張や震え対策としては「安全行動をしない」ということがとても重要です。安全行動の定義とその例を最初にご紹介します。

【安全行動とは?】

あがり症(社交不安障害・社交不安症)の人が頻繁にしてしまう行動である。不安や緊張を減らそうとする行動を安全行動という。

【安全行動の典型例】

【前提①】 緊張対策(安全行動)はやりすぎてはいけない

 緊張対策は安全行動になるのです。安全行動は一時的に不安を減らしてくれるようになりますが、あくまでも一時しのぎに過ぎません。結局不安を慢性化させるだけです。安全行動をしたからこそ、「緊張しないですんだ。変な人に思われないですんだ」という考えが強くなります。このような誤った考えを訂正する機会が失われ、安全行動を続けることになります。覚えておいていただきたいのは以下のポイントです。

ポイント

【前提②】そもそも我々は電話に慣れていない

 そもそも電話をしませんよね。固定電話を使う頻度って仕事以外でありますか?ほとんどありません。ただ、それでも電話は完全撤去にならないし、職種によっては「電話が主な連絡手段」という方も多いでしょう。公務員、旅行関係、カスタマーセンター等の人々はまだまだ電話でやりとりする機会が多いように思います。事実上、電話をするのは仕事の時だけです。大事なのは電話が苦手なのは甘えでも何でもないということです。実生活の中でそもそも電話をする機会を少ないので電話に慣れていないんです。電話恐怖という症状もあるくらいです。これは社交不安症の代表的な症状です。

【前提③】電話が苦手なのは周りに変に思われたり恥をかくのが嫌だから

電話で話す時に震えたらどうしようか。その悩みを具体的にすると下記のようになります。

電話で震えたらこうなるかもしれないという具体的な悩み

このような悩みが頭の中をグルグルしていませんか。この悩みを解決するために安全行動をしてしまうのです。

【やってはいけない対処法】電話をするときの安全行動(緊張対策、震え対策)

電話で話す時に震えがバレないようにこのような安全行動をしていませんか?やってはいけない対処法です。

【やってはいけない対処法】電話で震えがバレないようにやりがちな安全行動

  1. 電話をかける前
    • まずは電話をかけるタイミングを何度も検討する。
    • 電話かける前に話す内容をセリフのように書く。
    • できるだけセリフ通りに話そうとする。
    • ネットやマナー本で電話対応のコツを調べる。調べるがなかなか電話をしない。
    • 周りに人が居ないことを確認して電話をかける。
  2. 電話をかけている時
    • 震えがばれないようにセリフ通り話そうと心がける。
    • ゆっくり話すと震えがバレそうなので、早口で話す。
    • 声が震えないように体の一部(腕、足など)に力を入れる。
  3. その他
    • 色んな用事を作ってできるだけ電話に出ないようにする。
    • 職場に電話がかかってくる時間帯を調べる。
    • 調べたらその時間帯は電話から離れる。

このようなことをしていませんか?これではいつまでたっても電話に慣れることはありません。避け続けるとこうなってしまいます。

このように追い詰められてしまうのです。実際にこのようになって切羽詰まってしまう人もいます。

【対処法 その4つの手続き】

手順1安全行動のリスト化する。

対処法を一言でいうと「安全行動を減らし、そのまま電話をかけてみる」です。そのためにも最初に安全行動をはっきりさせなくてはいけません。まず安全行動をリスト化してみましょう。さきほどの電話で震えがバレないようにやりがちな安全行動」の一覧をそのまま使います。

【安全行動のリスト】

  1. 電話をかける前
    • まずは電話をかけるタイミングを何度も検討する。
    • 電話かける前に話す内容をセリフのように書く。
    • できるだけセリフ通りに話そうとする。
    • ネットやマナー本で電話対応のコツを調べる。調べるがなかなか電話をしない。
    • 周りに人が居ないことを確認して電話をかける。
  2. 電話をかけている時
    • 震えがばれないようにセリフ通り話そうと心がける。
    • ゆっくり話すと震えがバレそうなので、早口で話す。
    • 声が震えないように体の一部(腕、足など)に力を入れる。
  3. その他
    • 色んな用事を作ってできるだけ電話に出ないようにする。
    • 職場に電話がかかってくる時間帯を調べる。
    • 調べたらその時間帯は電話から離れる。

手順2 安全行動の逆の行動リストを作る(あえて自分を不安にさせる行動のリスト化)。

手順1でリストを作ったら、今度は別のリストを作ります。安全行動とは逆のあえて自分が不安になるような行動のリストです。先ほどの安全行動の例をもとに作ってみました。安全行動とは逆の行動と思ってください。

【不安になるような行動のリスト】※安全行動の逆

  1. 電話をかける前
    • タイミングを検討せず思い立ったら電話をかける。
    • 話す内容をセリフにしない。特に用意せず話す。
    • 大事な用件であれば話す内容を箇条書きにして付箋に書く。そこだけ話す。
    • 電話応対のマナーを調べずにいきなり電話をする。
    • 周りに人が居る中で電話をする。自分の声が聞こえる状況であえて電話をする。
  2. 電話をかけている時
    • ゆっくり話すと震えがバレそうならばゆっくり話す。
    • いきなりゆっくりが難しければ徐々にゆっくり話す。
    • 声が震えないように体の一部(腕、足など)に力を入れていたら、力を抜く。
  3. その他
    • 1日1回からで良いので電話に出る。
    • 電話が鳴りやすい時間帯に電話のそばにいるようにする。

手順3 リストに不安の点数をつける。

不安に感じる行動をリスト化したら、不安の度合いを点数にしてみましょう。 100点満点で不安が高いほど高い点数になります。このような感じです。

※これらの行動を少しずつ増やせば自然と安全行動は減っていきます。

  1. 電話をかける前
    • タイミングを検討せず思い立ったら電話をかける。80
    • 話す内容をセリフにしない。特に用意せず話す。 70
    • 大事な用件であれば話す内容を箇条書きにして付箋に書く。そこだけ話す。30
    • 電話応対のマナーを調べずにいきなり電話をする。50
    • 周りに人が居る中で電話をする。自分の声が聞こえる状況であえて電話をする。90
  2. 電話をかけている時
    • ゆっくり話すと震えがバレそうならばゆっくり話す。50
    • いきなりゆっくりが難しければ徐々にゆっくり話す。20
    • 声が震えないように体の一部(腕、足など)に力を入れていたら、力を抜く。30
  3. その他
    • 1日1回からで良いので電話に出る。10
    • 電話が鳴りやすい時間帯に電話のそばにいるようにする。90

手順4 不安の点数の低い行為を実際に試してみる。

点数を付けたら、点数の低い行動から実際に取り組んでいきます。取り組んでいくときはいくつかポイントがあります。

取り組むポイント

まと

緊張で声が震える方に向けて電話場面での対処法を説明しました。まずは安全行動を見つけ、それを減らしつつ、あえて不安になるような行動を増やすのが大事です。ただ気を付けていただきたいのは少しずつ、かつできそうなところから取り組んでいきましょう。やり方が分からない人は自己流でやらずに相談してください。

最後に宣伝です。kiyokiyo(きよきよ)は、社交不安障害(スピーチ恐怖症・社会不安症・あがり症・対人恐怖症)を専門とした心理カウンセリングルームです。公認心理師・臨床心理士が運営しております。

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