公認心理師の藤井です。プレゼンやスピーチをするときにこんな心配ありませんか?
プレゼンやスピーチに対する心配
この記事では頭が真っ白になってしまう対処法について解説します。科学的に効果が実証されている認知行動療法をベースにした方法です。この記事を読むと「プレゼンやスピーチで頭が真っ白になったらどうしよう」という不安に対処することが出来ます。
目次
まず、「真っ白になった状況」を詳しく思い出してみましょう。以下のような点を思い出すのがおススメです。
こういったこと紙に書いてみましょう。例えばこのような感じです。
「頭が真っ白になった」という表現も抽象的です。本当に頭が真っ白。記憶喪失のように何かも思い出せないということは起きにくいものです。具体的に何が起きたか、そしてそれは何回くらい起きたことなのか。実際真っ白になったらどうなったか。そして真っ白になった後はどのような展開になったか。このようなことを振り返ってみます。
振り返ることで以外なことが分かります。そもそも「頭が真っ白になった」経験は思いのほか少ないとか、頻繁に起きているわけではないとか、真っ白になっても無事にプレゼンを終わらせることが出来たとかなど。「頭が真っ白になった」という経験を具体的に振り返ることで、正体が見えてきます。正体が見えると対策を立てやすいです。
「頭が真っ白」になることを心配して色々な行動や工夫をしていませんか?それは却って悪影響となる場合があります。プレゼン前にこのような行動や工夫をしていませんか?
このような不安や恐怖を減らそうとか、自分を安心させようとする行動は頻繁にやってしまっていたら悪影響です。不安や恐怖は消すのは難しい感情です。不安や恐怖がゼロになったら日常生活で困ってしまいますよね。世の中事故だらけ失敗だらけになります。
不安や恐怖を減らそうとする行動を心理学では「安全行動」と呼びます。安全行動は社交不安症などの不安にまつわる病気を悪化させます。
まずは「不安や恐怖を減らそうとする行動」を減らしましょう。つまり安全行動を減らすのです。そのような行動をしなくても、頭が真っ白になってしまうことに対処できたという経験を増やすのです。ただいきなり減らすのは負担が大きいのでこのような段取りがおススメです。
普段何気なくやっている不安や恐怖を減らす行動をリスト化してみましょう。私はこの前60人くらいの前で1時間ほど話したのですがこのような「不安や恐怖を減らそうとする行動」をしていました。
私がやってしまった不安や恐怖を減らそうとする行動(安全行動)
安全行動をいくらやっても結局安心はできません。まずは減らしやすいところから減らしていきましょう。いきなり全部減らすのは危険。負担が大きすぎです。例えばこのような感じです。
別の仕事や作業というのが出てきますが、これは集中できるものなら何でもいいです。運動でも良いと思います。何か能動的で集中できるものがおススメです。私はよくやっていたのは同僚に別の仕事の相談をする、用事を作って誰かに電話をするなどをやってました。
くれぐれもリストに書かれている行動を一気に減らないようにしてください。最初のうちは減らそうとするよりもこれ以上増やさないようにするだけでも十分です。
不安や緊張が高い人は意識が自分に向きがちです。不安や緊張が高いと身体の些細な変化もキャッチしてしまいがちになります。自分の身体の変化に敏感になっているからです。このような身体の変化が起きていませんか?
こういう変化が起きると、それに意識が持ってかれがちです。自分の身体の内側に意識(注意)が集中してしまいます。些細な体の変化で不安や恐怖が引き起こされてしまいます。まずはプレゼンやスピーチをする際は周りに意識を向けましょう。例えばこのような感じです。
「頭が真っ白になったらどうしようか」という心配について対策をまとめました。不安や恐怖を減らそうとする行動を減らし、意識(注意)を自分以外に向けるのが大事です。
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この記事の筆者
公認心理師・臨床心理士。社交不安症(障害)の認知行動療法を専門とする。首都圏の精神科病院、カウンセリングルーム、メンタルクリニックにてカウンセリング、復職支援、心理検査等を担当。