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【緊張で手が震える】2つの悪化要因・具体的対策を公認心理師が解説

公認心理師の藤井です。社交不安症(あがり症・対人恐怖症)の方で「緊張すると手が震える」という悩みを持つ方が多いです。今回、そのようなお悩みへの対策をブログにまとめました。

【この記事で分かること】

  1. 手の震えが悪化する要因が分かる。
  2. 手の震えに対する具体的な対策が分かる。
  3. 対策のデメリット、メリットが分かる。

手が震えるとこのような状況で困ってしまうのです。

困る状況

このようなお悩みを抱えています。「緊張して手が震える」という現象は、専門用語で「書痙(しょけい)」とも呼ばれます。このような困り事には認知行動療法が有効です。今まで同じようなテーマで具体的な対策をブログで書いてきました。今回紹介する方法はハードです。ただ確実に効果がありますのでぜひ参考にされてください。具体的な方法に入る前に1つだけ注意喚起です。

【注意喚起】「緊張で手が震える」場合に注意してほしい事

緊張していない場面でも「手が震える」が度々起きていたら、それは心の不調ではなく体の不調かもしれません。神経内科や内科の早期受診をお勧めします。

それでは具体的な内容を解説していきます。

1.手の震えが悪化してしまう2つの要因

1‐1震そうな場面を避け続けると悪化する。

手が震えそうな場面を過剰に避けると「緊張で手が震える」状態は悪化します。以下のような流れで悪化します。

  1. 該当する場面を避ければ一時しのぎになりま。ただ避ければ避けるほど該当場面が怖くなります。
  2. 避け続ければ苦手感や恐怖感は倍増します。
  3. このように繰り返し避けたりすれば緊張や不安は高まり、「緊張で手が震える」問題は改善しないのです。

1‐2震えを抑える工夫、バレないような工夫が逆効果。悪化の原因になる。

手が震えてしまいそうになると不安です。震えないように(バレないように)様々な工夫をします。この工夫を臨床心理学の専門用語で「安全行動」と呼びます。専門用語のなのでまずは安全行動の定義を解説します。

安全行動の定義

安全行動は一時しのぎにすぎません。緊張は何もしなくても自然に治まります。自然に治まる前に安全行動を使うと一時的に低くなりますが、結局高止まりです。安全行動が緊張の高止まり状態を招いています。そのため安全行動(「震えないような工夫・震えがバレない工夫)は悪化の要因です。以上の内容を図解しました。

「一時的でも緊張が下がるなら安全行動やればいい」「高止まりでも減るほうがマシ」という意見もあります。ただ、緊張が高止まり状態ですと結局安心が出来ません。緊張に脅え続けなければいけません。一時しのぎをしつつ脅え続けるわけです。次に安全行動の具体例を紹介します。

【安全行動の典型例】

このような行動や思考が安全行動です。安全行動をすると一時しのぎになり、ひとまず緊張は下がりますが、高止まりなままです。次に具体的な対策をお伝えします。

2.「緊張で手が震える」への対策・3つの手順

2‐1【悩みを見える化】辛い状況を分析する。

具体的な対策を立てる前に苦手な場面、困り事を分析します。分析することで「緊張で手が震える」の何に困っているのか、具体的にどんな場面で困っているのかを特定できます。なおかつ悩みを可視化(見える化)も出来ます。分析のポイントは以下の通りです。分析には認知行動療法のモデルを使います。

分析のポイント

2‐2【元凶を見つける】安全行動を確実に突き止める。

 安全行動が悩みの元凶です。理由については別のところで述べました(理由を説明した場所に戻る)。次に具体的にどんな安全行動をするかを調べていきます。安全行動を探すポイントお伝えします。

安全行動を探すポイント ※下記のような行動であれば安全行動の可能性が高い。

以上のポイントに該当するなら安全行動の可能性が高いです。安全行動の典型例は先ほど述べましたので典型例の説明部分でご確認ください(典型例説明の部分に戻る)。

2‐3【対策の中核】勇気を持って震えに向き合う。

いよいよ、対策の最重要部分です。毎日やっていただくことを具体的に説明しますので日常生活で実践してみてください。

日常生活での実践

  1. 緊張で手が震えそうな場面に身を置く。自分自身をその場面にさらすイメージ
  2. その場面で震えが起きそうなっても(あるいは起きても)安全行動はしない。
  3. 手が震えてしまいそうな不安、場面全体から感じる緊張を避けるのではなくしっかり感じる。
  4. 1から3の手続きを繰り返す。イメージは歯磨きです。虫歯を防ぐには歯磨きが確実ですよね。それと同じで震えが気になる場面に身を置き、安全行動をしない。これを繰り返してください。繰り返すほど改善します。

この手順を一言で表すと「何もせず、心配な場面に挑む」ということです。この方法は確実に効果がありますが、かなりハードです。ただ切実に何とかしたい場合はおすすめな方法です。ハードな方法なので注意点もあります。

注意点

3.今回紹介した対策のメリット・デメリット

メリット

デメリット

デメリット・メリットを詳しく説明します。

3-1【メリット】確実に効果がある。

この方法は認知行動療法の考えをベースにしたものです。正確に言うとエクスポージャー(曝露)という方法になります。エクスポージャーは古典的な方法で、緊張や不安に関する問題で効果を上げています。効果を上げるには確実な方法です。

3-2【メリット】シンプルな方法である。

手が震えてしまいそうな(震えてしまう)場面に身を置く。その場面では安全行動をやめて、普段通りの自分として振舞う。シンプルです。今から取り組むことが出来ます。

3-3【デメリット】しんどいし辛い。

この方法はしんどいです。カウンセリングというと「癒される」「ホッとする」ということをイメージされると思います。今回の対策は全然癒されませんし、ホッとしません。「手が震えるかもしれない」という嫌なことに向き合うわけです。しんどい方法です。

3-4【デメリット】効果を実感するまで時間がかかる。

確実に効果がありますが、ダイエットと同じですぐに効果は表れません。ジワジワと効果が出てきますので、早く目に見えた結果が欲しい人にはじれったいと思います。

まとめ(迷ったら専門家への相談)

比較的、ハードな方法について紹介しました。今回の方法に取り組む際は専門家と相談することをお勧めします。独力で続けることも出来ますが、どうしても挫折してしまいます。

最後に宣伝です。kiyokiyo(きよきよ)は、社交不安障害(スピーチ恐怖症・社会不安症・あがり症・対人恐怖症)を専門とした心理カウンセリングルームです。公認心理師・臨床心理士が運営しております。

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この記事の筆者

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