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【電話恐怖症】自分の声を聞かれるのが怖い場合の対処!5つのステップ

公認心理師の藤井です。社交不安症の方の苦手なツール。それは電話です。「電話で話すのが怖い」「電話対応がすごく緊張する」などのお悩みが多いです。こういう場合をまとめて「電話恐怖症」と呼んだりします。電話対応が周りにどう思われているか不安なわけです。具体的には以下のような困り事が生じます。

電話恐怖症の人が困ること ※「周りにどう思われているか不安な場合」

このような悩みには認知行動療法が有効です。この記事では、認知行動療法の方法をベースに「電話対応の声が周りにどう思われているか不安」というお悩みについて対処法を解説していきます。

【全体の概要】対処法(認知行動療法)の手順

対処法の概要を最初に紹介します。5つのステップがあります。

ステップ①は事前準備で、困っていることを分析します。ステップ②では安全行動という行動をリスト化していきます。次のステップ③で周囲を観察することから始めます。その上でステップ④では、改善に向けてのアクションプランを立てます。アクションプランのことを行動実験と言います。安全行動と行動実験という聞きなれない言葉が出てきました。後ほど詳しくご説明します。それでは順番に説明していきます。

ステップ1【事前準備】電話恐怖症の状況を分析する。

まず、電話恐怖症の症状が具体的にどんな状況で起きるのか。そもそも、どのような症状なのか。どのようなことを恐れているのかを分析します。分析は認知行動療法のモデルに沿って行います。分析のポイントは以下の通りです。

1-1分析のポイントと分析の例

このように図示します。図示すると問題が明確になります。ただ、いきなり一人で図のようなモデルを完成するのは難しいです。最初はカウンセラーと一緒にやることをおすすめします。ちなみに青い枠で囲っている部分はとても重要で、青枠の行動は安全行動と呼ばれます。安全行動は恐怖や不安を隠そうと頑張ってしまう行動になります。安全行動については次のステップで説明します。

ステップ2【事前準備】安全行動のリストを作る。

次に安全行動のリストを作ります。安全行動について説明します。非常に重要なキーワードです。

安全行動の定義

社交不安症(対人恐怖症、電話恐怖症)の人が頻繁にしてしまう行動です。安全行動とは不安や緊張を減らそうと頑張ってしまう行動のことになります。この行動が不安を慢性化させます。

安全行動の目的

他人からの否定的な評価を防ぎつつ恥をかかないために安全行動を行ないます。合理的な目的のようなですが欠点もあります。

安全行動の欠点

このような感じです。安全行動によって不安に拘束されてしまうのです。まずはこのような安全行動のリストを作ります。作成のポイントは以下の通りです。

2-1 安全行動リスト化のポイント

このようにリスト化していきます。リスト化することで、安全行動が明確になります。このような安全行動を徐々に減らしていくのが大事です。いきなり安全行動を全部減らすとか一切しないとか頑張りすぎてしまう人もいますが、要注意です。この行動は欠点はあるものの、自分を守るために行っています。それをいきなりゼロにするのはリスクが高すぎです。徐々に減らすのが大事です。できれば専門家と相談しながら進めてください。

ステップ3【事前準備】周りの電話対応を観察する。

安全行動をリスト化したら、今度は周りの電話対応を観察してみましょう。なぜ周りの電話の反応を確認するのか。理由をお伝えします。

3-1 周りの電話対応を観察する理由

電話恐怖症の方は「完璧な電話対応をしなくてはいけない」「受け答えで噛んではいけない」「声がかすれてはいけない」などの信念をお持ちの方が多いです。この信念は確かにそうなのです。ちゃんとした対応をする必要があります。ただ、他の人はいつも完璧な対応をしているのでしょうか。不完全な対応をしていないのでしょうか。もし、同僚が不完全な対応でも大丈夫であれば、あなたも大丈夫な可能性が高いです。つまり「同僚は失敗していないか、不完全な対応をしていないか。不完全な対応をしていたらその結果をどうなるか」を確認するために観察します。

3-2 観察のポイント

実際に観察する際は下記のようなシートを利用します。赤い字の部分は観察の前に記入します。いきなりこんなに詳しく書いていくのは難しいで最初は簡単で大丈夫です。観察が終わったら実験結果やまとめも書いてみましょう。あなたが心配していた通りのことが起きたかを確認してください。

3-3 実際の観察の例

ステップ4【事前準備】行動実験の計画を立てる。

次に行動実験に移ります。いきなり実験せず計画を立てますが、行動実験について詳しく説明します。

4-1 行動実験とは?

頭の中で考えている心配なことやネガティブな予測が本当にそうなるのかを確認する手続きです。認知行動療法の方法の一つです。最初に実験計画を立てます。行動実験をどう計画するかを次から説明します。

4-2 まずは予測する。

電話恐怖が強くなる場面に行動実験していきます。その場面に直面し、安全行動をしないとしたらどんな展開になるかを予測します。あなたを安心させる安全行動をしないとどうなるかを実験するのです。

4-3 安全行動を減らす計画を立てる。

予測を立てた後は安全行動を減らす段取りを考えます。安全行動を減らすことが非常に重要です。ステップ2で作成したリストを利用します。このリストの安全行動を一気に減らすのは不可能です。減らしやすいところから考えていきます。減らしやすさの難易度順にランキング表にするのも良いでしょう。例えばこのような感じです。

4-4 行動実験の記入例(電話)

改めて計画の立て方を説明すると以下の通りです。

  1. 実験する場面を決める。
  2. 減らす安全行動を決める。
  3. その安全行動がどうなるかを予測
  4. 後は実験をするのみ!

1から3の内容を専用のシートに記入します。記入例は以下の通りです。実験に取り組む前に書いておきましょう。

ステップ5 行動実験に挑戦する。

事前準備も終わったので実際の場面に行動実験していきます。

行動実験に挑戦する場合のポイント

まとめ

電話恐怖症でお困りの方は、まずは困っている状況を分析しましょう。その上で安全行動のリストを作成してください。この安全行動を減らすのが大事です。安全行動を減らすような行動実験を根気よくコツコツ続けると良いでしょう。いきなり行動実験をするのは心配だと思います。まず同僚を観察して自分が心配していることが本当に起きるかどうかを確認するのも良いでしょう。

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この記事の筆者

藤井 崇

公認心理師・臨床心理士。社交不安症(障害)の認知行動療法を専門とする。首都圏の精神科病院、カウンセリングルーム、メンタルクリニックにてカウンセリング、復職支援、心理検査等を担当。

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