公認心理師の藤井です。
以前勤務していた病院の話。その病院では、職員の持ち回りで、毎日院内放送で、朝礼をやってました。当番制で病院の職員が持ち回りで身辺雑記を発表。このようなことを発表していました。
朝礼を毎日やっている企業て結構ありますよね。建設業、銀行とかよくあると聞きます。この朝礼、社交不安症、、あがり症、スピーチ恐怖症の人にはなかなか悩みどころです。
朝礼でお悩みの社交不安障害の方の例です。
朝礼になると緊張する会社員 Aさん(女性) ※架空の例です。
A子さんをはじめ朝礼で緊張する人はどうすればいいのでしょうか。スピーチ恐怖症は社交不安症(障害)の一種です。社交不安症には認知行動療法が有効です。この記事では、認知行動療法の方法をベースにこのようなお悩みについて対処法を解説していきます。この記事を読むと「スピーチ恐怖症で朝礼が怖い」という悩みへの対処法を知ることが出来ます。 対処法は3つのステップで構成されています。順番に説明していきます。
目次
緊張しているときは自分の頭の中や身体に注意が向いています。
このように注意が自分の身体に向きすぎているので心臓や胸の反応に敏感になってしまうのです。その注意をを外へ向けます。
注意を外に向ける具体的な方法
このように注意を外に向けるのは最初難しいです。ただ、やっていくと徐々にできるようになっていきます。「注意を外に向ける」だと難しいように聞こえますが「ジロジロと部屋や人の表情や様子を見る」をやってみてください。ジロジロ見るだけです。これをやっていくと不安や恐怖が気にならなくなります。
いわゆる緊張しやすい人は、緊張しないように努力しています。例えばこのような努力です
緊張しない努力の具体例
こういう努力を心理学では「安全行動」といいます。いきなり専門用語が出てきました。解説します。
【安全行動とは?】
スピーチ恐怖症(社交不安障害・社交不安症)の人が頻繁にしてしまう行動である。不安や緊張を減らそうとする行動を安全行動という。
安全行動は一時的に安心しますが、繰り返したりすると症状がひどくなることがわかっています。不安は避ければ避けるほど、隠そうとすればするほど強くなる性質があるのです。あと、安全行動をしない方が毎日楽に生きているのですがそのことを経験できません。
まず、あなたがやってしまっている安全行動をリスト化しましょう。リストで明らかになった安全行動を減らしていきます。
対処法①、②の振り返りです。
このようなチャレンジを日常生活でやってみてください。そして、その結果がどうだったかをチェックしましょう。朝礼が終わった後に仲の良い同僚に「どうだった?」って聞いてみるのもよし。「別に大丈夫だったよー」って言われたら大成功。特に聞かなくても、なにか言われたり注意されたりしなければそれも大成功です。
「他人は自分の緊張する姿を見ておかしいと思っているにちがいない」
と、他者から緊張する姿について否定的にみられることを恐れてはいるものの、そもそも、その考えが思い過ごしだったということです。それが実験により実証されたのです。
実験の結果はやってみなくてはわかりません。 ただ、大半の場合、予測は外れるし、緊張している姿も気づかれません。気づかれても「朝礼大変だもんね」と思われるくらいです。
①、②、③を繰り返していくことで次第に緊張へのこだわり、緊張に振り回されることが減っていきます。緊張する場面も無理なく切り抜けられる。
ただ、いきなり劇的改善というよりは徐々に・・・という感じです。焦らず。
最後に宣伝です。kiyokiyo(きよきよ)は、社交不安障害(スピーチ恐怖症・社会不安症・あがり症・対人恐怖症)を専門とした心理カウンセリングルームです。公認心理師・臨床心理士が運営しております。
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この記事の筆者
公認心理師・臨床心理士。社交不安症(障害)の認知行動療法を専門とする。首都圏の精神科病院、カウンセリングルーム、メンタルクリニックにてカウンセリング、復職支援、心理検査等を担当。